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引越し物語Ⅱ・中編


あくる日曜日の朝、起きたら、やはり雨が降っていた。

天気予報ですでに解って居たのだが、こうも降られると悲しい気分だった。
山のようにした洗濯モノは乾かない。

まぁ私は、月曜日まで休みなので、
いよいよ雨が止まない時は、月曜日に引越しするしか無いと息子と話をする。
なにせ、徒歩なので、雨が一番、最悪だ。

TVを付けたていたら、能登半島地震のニュース速報が流れた。
ネット友達の事が気になった。

雨が止まないまま、
とりあえず今度は、捨てるモノを私が容赦なく決断してあげた。
今までの部屋は収納が押入れ一間半あったので沢山の物があった。

それらの中で要らないモノのコタツ布団とか、着れない服とか
とにかく、何でも捨てた。
その作業だけでも、かなりかかった。

その引越し作業の最中に、
「そうだそうだ・・・。ねぇ、このお茶碗使う??」
と例の前日の骨董市の戦利品を見せたら、

「言ってるコトとヤッてるコトが違う」と指摘された。

(確かに・・・そうだよな。笑。)

どうしても捨てられないという本類がダンボール箱に20箱ぐらいあった。
コレ、全部入るのだろうか。

午後になって小降りになった雨が上がったところで、引越しを開始。

大家さんに、息子が菓子折り持って挨拶に行く。
カギをもらって来たので、中の様子を見せてもらう。

うっ・・・。・・・せ、狭い。すごく狭い。

・・・そんな印象だった。

しかも収納が少ない。
クローゼットが少しあるだけで、あとは何も無い部屋だった。

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キッチンも申し訳程度に付いていて電気コンロがあった。
前のアパートからするとあまりに、小さなキッチンだった。
しかも要らないのに、ご丁寧にも備え付けの小さな冷蔵庫がついていた。

これが開けてみたら、臭いでいうと何やら〝ワキガ臭い〟。。。。泣。
なぜか冷凍庫の製氷機の部分に「笹の葉っぱ」が張り付いていた。
一体なんなんだ。この葉っぱは??

こんな風な感じで、大丈夫なんだろうか。

息子に聞けば、この部屋に入るには、
ハウスクリーニング代として、入居者が3万円払うとの事。

契約時に、不動産屋さんに言われたらしいのだが、
これで本当にクリーニング済みだったのかどうか、すごく怪しい感じがした。

さっそく「ダンボールとか運んで来るから」という息子が来る前に、
とりあえず大急ぎで床の拭き掃除だ。

まずは床から拭き始めると、ぞうきんが真っ黒になった。
カーテンは洗い終わったのを持って来て、レールに掛けて干すコトにした。

またここで、私は、『松居一代方式』に、掃除をするはめになった。
いやはや上京して来てからというもの掃除ばかりしてる私だった。
ここでも「激落ちくん」が大活躍だった。

しかも、今度は自分の息子がこれから入るとなると、気持ちは複雑。

前の人が付けたままの水垢のついた蛇口とかでは、
私自身が嫌な気分になってしまい、どうしても納得出来ないのだった。
(まぁ、母のこだわりってヤツだ。)

キッチンなどの蛇口のボルトを外して、ピッカピカに磨きあげた。
そこまでやらないと綺麗にならない蛇口の状態だった。
さっきの造り付けの冷蔵庫には、除菌スプレーをしてから脱臭庫を入れた。

前の住人が、よほど慌てて引越ししたのだろうが、
それにしても掃除はプロに任せたとは思え無い感じだった。

おそらく、息子だけだったらなら、ソコまでやらないだろうな。
そういうモノだと思って住みはじめるのだろうな。

そして、キッチンや風呂場や洗面台。
更にトイレとその汚れは結構なモノだった。

3万円取るなら、こんな掃除で良いのか・・・と、私も、かなり頭に来た。

でも、もう払ってしまった訳だし、
ココに住むしかないのだから、せめて綺麗にしてあげようとばかり
手が痛くらい必死になって汚れを落としてきた。

私は、ここでも悟った。
『自分は3万円分以上の働きが出来る家政婦だ』と・・・笑。

前回の次男の引越しでは『運転手』『宅配業者』
今回は『ハウスクリーニング業者』

もう、こうなると、なんでも出来そうな感じだ。

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長男はすでに台車を借りて来てあったので、
それを使ってほとんどの荷物を一人で黙々と運んだ。

まだ前のアパートの部屋は借りたままだったので、
そうやって運び入れられるモノだけドンドンと運んだ。

そんなこんなして、その日は暮れて終了。
あっ、電気も消えそうな感じだったので、それも変えた。

すでに夕方になってたが、何か食べに行く元気は無い。

結局、吉野家の牛丼を息子が買いに行って夕飯となった。
こうして出来合いの食べ物ばかりの食事は身体に良くないなぁと感じる。
息子達は、いつもそんな具合なんだろうか。

その日の夜は、荷物の無くなった広い方の部屋で休む。
しかし、寝る間際まで、相変わらず洗濯と掃除をしまくりながら時間が過ぎて行った。


明日は晴れだと天気予報はいってた。
残りの品を運んでしまえば、大体終わるなと思った。
しかし、全部入りきれるのか、それも心配だった。


~まだ、つづく~
by mismis10 | 2007-04-05 00:09 | 引越し物語(2007・3)
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