虫の知らせ




連休中に、親しくしていた友人が亡くなった。

突然、訃報の電話が彼女の長女からかかって来た。
頭が真っ白になった。嘘かと思った。
家も近所なので、走って彼女の家を訪ねた。

友人は、まるで寝ているかのように静かに横たわっていた。
その姿を見ても、他界したとは信じられなかった。
起き上がってきそうだった。

二人の娘達は「おばちゃん、私達がお化粧してあげたの」「病気の事、教えてあげれなくてごめんね」と口々に話した。

同世代の母親の死はショックだった。
お互いの子供達が小さい頃からのお付き合いだった。

数年前、私が母の介護生活に入って自宅を留守にするようになった同じ頃に、彼女は自身の癌の手術をしたのだそうだが、その事すら知らなかった。

それ以前には毎日のように会っていたが、母の看護で忙しい時期と重なり、私が自宅に居ないので会う事も出来ないまま時間が過ぎていた。

たまにメールや電話をしたが、会って何かを食べに行こうと誘うと、今にして思えば、やんわりと断っていた。私は彼女がそういう身体とはまったく知らなかったので、忙しいのだろうとばかり思っていた。

手術後、癌を克服すべく頑張っていたのだそうだが、昨年の暮れあたりから体調を崩していたのだそうだ。

本人の意思で、癌の手術をした事は家族以外、誰にも知らせなかったという。

自分の母親にも「教え無いで」と言われて家族は大変だったらしい。具合が悪くなってからは、娘さんが彼女へ来たメールを代行して返信していたと聞いて驚いた。

昨年の暮れに、ばったり会った時に「時間ある?」と聞いたら「これから予定があるの」と答えた。

「もうその頃には、ほとんど食事が出来ない状態だった」と、ご主人が話していた。
元々、痩せた人だったので、やつれた様子は感じられず、忙しいんだなと立ち話だけで別れた。たぶん、一緒に何かを食べに行ったら、気付かれてしまうと感じたのかもしれない。

亡くなった前の夜もフッと思い出して、そういえば彼女と会って無いなぁ、明日あたりランチかお茶でもどうかなと誘うつもりだった。

そういう虫の知らせと言うのが実際にあるのかどうか分らないけど、夜中に確かに突然、彼女の顔が浮かんだのは事実だった。

もう会えないと思うと悲しくて残念で仕方無い。

今は告知が普通らしいのだが、実際自分がそういう病気になった時、どうしたら良いのかも少し考えてみたが、答えを出すのは難しい。

心からご冥福を祈ろうと思う。
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by mismis10 | 2012-05-10 21:20 | 日常あれこれ
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