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「震災の後で」

~貴重な資料~

原発の問題では連日、たくさんの報道が出ていて
どこから話をして良いのかさえ分からないくらいだ。

冷静に、順を追って考えていこうと思う。

あまりにも多くの事がどんどん報道されるので、
自分なりに報道を解釈して問題を考える癖をつけようと思う。



文部科学省から、
「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」について
という発表が4月19日に出された。

文部科学省と原子力災害対策本部、原子力安全委員会がその案を考えたらしいが、
そもそも、この基準値があまりにも高いと、
今回福島県内の指定された13の学校へ通う子供達を含む保護者や関係者から非難の声が上がっている。

その後の説明会は、紛糾して予定よりも2時間も延長されたようだ。

説明会が終わって帰宅する保護者らからは、
「結局、国からは具体的な対策が示されなかった」
「自分の子供は自分で守るしかない」
などと口々に怒りながらインタビューに答えていた画像をTVで見た。

文部科学省のHPをみると、今回の通達が開示されていた。
文中にこの値が決められた経路を示す内容が載っていた。
~~~~~~~~~~
国際放射線防護委員会(ICRP)の
Publication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)によれば、
事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年を適用する地域と、
事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域の併存を認めている。
また、ICRPは、2007年勧告を踏まえ、本年3月21日に改めて
「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、
1~20mSv/年の範囲で考えることも可能」とする内容の声明を出している。
~~~~~~~~~~~

どうしてこんなに面倒な言葉にするんだろう。
通達だし、お役所だから仕方ないのか。
要するに『国際放射線防護委員会という人達が緊急の時は一般人の参考にして考えると、
1~20mSv/年だったら、多分、大丈夫じゃないのっていうからこの値にした。』と理解した。

しかしながら、ここでおかしいと思ったのが、
1~20とした値だったら、どうして1に近づけないのだろう?
大きい数字を取るというのは何故なのだろう?

そういう少ない数字に基準値を設定すると、発表された13の学校よりも、
もっと多くの学校が指定されるからでは無いか。そんな疑問がわいた。

さっそく、その辺りをブログ等で発信している専門家の学者達がたくさんいた。
直ちに、子供達を疎開させよ。と言ってる方もいた。
文部科学省は法律違反をしている。と言ってる方もいた。

過去に文部科学省が所管している法律があって、
その基準値を文科省自身が設定しているらしいのだが、それによると
「外部放射線に係る線量については、実効線量が3月あたり1.3mSv」
を超えるおそれのある場所については放射線管理区域を設定するようにと、あるらしい。

その値からすると、3ヶ月であたり1.3mSvというのは、
それをmSvの千分の1に直すと0.6μSv/時になる。

※ mSv(ミリシーベルト)
※ μSv(マイクロシーベルト)

したがって値を表示するのならば、この0.6μSv/時か、または、
先に出した国際放射線防護委員会の人達の助言の最小値の1μSv/時とするべきではないか。
と、普通の主婦は考えるのだが発表はそうでは無い。

この値を出すにも福島県側からは震災後、正確には水素爆発後に、
各学校の値を国に報告して基準を示すように働きかけていた。

(前にブログで、二人一組で100箇所ほどの測定を、普段の業務に加えてやっていると書いた覚えがある。)

しかし、新学期が始まる始業式にも間に合わず、
結局、通達が出たのは4月も中旬になってからなのだ。

いつもいつも、今までに無かった事だからの説明が付いて回る。
やりきれない。

私ら福島県民は、子供から大人まで、いや、生物皆すべてが、
これからの為のサンプルになっているような気がしてならない。

今後また原子力発電所が同じように、
放射性物質を撒いた時のための貴重な資料となってるような気がしてならない。
by mismis10 | 2011-04-21 22:00 | 東日本大震災
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