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旅日記・ソウル編・3・「地下鉄にて」・堤燈アンコウになるべきか・・・の巻き


ソウル市内の地下鉄は、色別のラインで、1号線から8号線まであった。

各駅の名前に番号が付いてるので、それを確認して
韓国語表示は判らないが、アルファベット表示と漢字表示で駅名を確認する。
乗り換えの駅も、その番号や表示を見て乗り降りした。

最初私は、駅のホームのどちら側に乗るのか、良くわからなかったが、
何度か乗り降りしてるうちに、だんだん分って来た。

行きたい方向の駅の番号が大きくなるのか、小さくなるのか、
それを確認してから乗れば良い事が判った。
電車の進行方向も表示されてた。
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ホテル近くの地下鉄の駅の「普門」で切符を買い、その目的の街の駅の「梨泰院」へ向う時、事件は起きた。

駅の階段を降りて行くと、中段あたりのやや広い場所で、
ろだんさんが最後の一段の階段を踏み外して転んだ。
(「大丈夫」と言ってたが、後でホテルで見たら膝の辺りが青黒くなってた。)
(可哀想な感じの青タンのアザだった。)

彼女が立ち上がって、洋服のホコリを払い、どちらの方向に乗れば良いのか、
持ってた地下鉄の案内のパンプレットを一緒に見ようとした時だった。

階段の後ろ上から、誰かが、私の背中を『バシン!』と叩く。
振り返ると、男の老人だった。

こんなトコに知り合いは居ないし、
やぁ~という感じでは無い、とても強烈な叩き方だった。
老人なのに、凄い勢いで背中の肩甲骨の骨と骨の間をバシッ、バシッと数回叩く。

何やら、訳のわからん事を言いながら、今度はろだんさんが叩かれた。

なんか変だ。危険だ。。。と思い、大急ぎで階段を下まで降りて行く。

老人は、それでもホームまで追いかけて来る。
意外に、足腰のしっかりした爺さんだった。
その間、ずっと何か意味不明な事を言って追いかけて来る。

ホームは運悪く、ちょうど電車が出た後で、
乗り遅れたのか、頼りない痩せこけた感じの中年のおじさんが一人居たくらいだった。

老人は、まだ追いかけて来るので、
ろだんさんが大きな声を出して、そのおじさんに助けを求めた。

ろだんさんの大きな声が、この時ほど頼もしいと感じた事は無かった。(笑)
私なんか、びっくりして声も出なかったもんなぁ・・・。
(後で彼女が言うには、ああした時は、大声で騒ぐのが一番なのだそうだ。)

その頼りないおじさんは「あっちへ行け」というような事を言うのだが、
今度はそのおじさんにまとわり付く老人。

更に、まだこちらを見て叩こうするのかコブシを振りあげる老人。
なんてしつこい人なんだろう。

若いサラリーマンが数人、階段を降りて来たので、
今度はその人達のほうへ逃げた。

同じように、老人に「止めろ」とか何とかを言ってるようなのだが、
老人はニヤニヤして相変わらず意味不明な事を言って、手を上げたりしてる。

ホームの反対側の乗り場のほうにも女性が来た。
騒いでる様子を少し見てたOLさん風の女性へ「あの人変だ」と訴えた。

そこへ電車が入って来て、
そのサラリーマン集団と共に、そちらの車両の中に、爺さんが消えて行った・・・・。

(ひぇ~~。怖かったよ~。)
(心臓がバクバクした。。。)

もう居ない爺さんなのに、もう一度、さっきの場所を、自分の目で確認してみる。

そして「梨泰院」へ行くには、こっちで良いのかと、さっきのOLさんに聞いてみた。
イイらしい。
そこへ電車が来たので、二人で乗り込む。

電車のシートに座って、初めて安心した・・・・。
世の中、ドコにいても安全という保障は無いけど、けっこう不気味な思いをした。

「あの老人が、何か刃物でも持っていたら、後ろから一突きだったよね。」
「素手で良かったよ」
と話ながら電車に揺られた。

それにしても、あの老人。。。
何も荷物を持たないのに、片手には、携帯電話をしっかり握って離さないでいた。
ソウルの人達の携帯電話保有率は、けっこう高いような気がした。

後になってから、相手は老人だったのだから
二人がかりで、やっつけたら出来ないコトも無かったかなぁと話した。
(何も無かったから言える冗談だった。)

それからしばらくは、地下鉄に乗る時や階段あたりでは、
どうしても後ろに老人が立って無いか、確認せずには居られないありさまだった。(笑)

「いっそのコト、自転車やバイクのバックミラーでも頭に付けたら良いかも」
なんて冗談をろだんさんが言って、二人で笑った。


「堤燈アンコウ」みたいな自分を少し想像した・・・。

(それこそ、おかしい人になる。)
by mismis10 | 2005-05-27 23:21 | 旅(韓国編)
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