次の観光地の日月潭へ向かう途中、バスの車内から外を見ると、田園地帯の緑が眩しい。田植えすら出来ないでいる福島を思うと、どうしてもまた原発の事を思い出す。
添乗員さんによると、台湾は3つの原発があって、さらにもうひとつ作っているのだそうだ。 九州くらいの大きさの台湾が4つも欲しいのかと、ふと思ったけど、私の福島県だけだって10個もあった事を思い出した。 台湾は暖かい気候を利用して、二期作中心だそうで、場所によっては三回も収穫する所があるという。その代表米が「蓬莱米」という米だそうだ。 この米は磯 永吉という日本の農学者が台湾の農業発展に貢献したのだそうだ。 この名前も福島市内にある名前なので親しみを感じた。 更に、この青々とした田んぼと、椰子の木や、檳榔(ビンロウ)の木が同時に風景におさまっている。 これは見た目かなりカルチャーショックだった。 田んぼのそばにフツーに生えてるそれらの木。 あるいは、お茶畑のそばにあるビンロウの木。 私には、最初、椰子(ヤシ)の木と檳榔(ビンロウ)の木の区別がつかなかった。 椰子(ヤシ)の木は、文字通りヤシの実がなる木。 檳榔(ビンロウ)の木は、椰子科常緑樹の植物だそうで、すぅーと背が高く外皮にヤシの木よりはっきりした縞模様がみえたように思えた。 このビンロウの実がガムみたいな噛みタバコのような嗜好品として売られている。 大都市では夜市の屋台とかでしか見られなかったけど、バスの移動をしながら地方を走っていると道路沿いに大きな看板でこの「檳榔」の文字をよく目にした。 その看板のそばには、公衆電話ボックスよりは大きなサイズの小さな物置サイズみたいな店があった。 日本に帰ってから調べたら、元々は台湾の先住民族の嗜好品だったのが台湾全土に広がったのだそうだ。 ビンロウには覚醒作用があり興奮状態になり、特に長距離トラック、タクシーなどのドライバーには眠気さましとして使われているらしい。 以前はビンロウ売りの若い女性が水着など過激なコスチュームを着て、ドライバーの目をひいての売り方があったらしいが、現在は規制されて、そういう類の売り方は見かけなかった。売ってる人はおばちゃんばかりだった。 台湾では18歳未満の者には販売禁止、公共施設内では使用禁止等が法律で義務つけられていて、台湾では合法だが日本では麻薬に分類されているので日本国内への持込は禁止されている。 台湾の生活文化・風物詩とも言えるビンロウだが、最近は知識人を中心に風当たりが強くなってきているらしい。しかし、台湾第4位の農産物でもあり習慣性があるので安定した収入も見込めるというので生産農家にとっては金のなる木らしい。 したがって台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う姿勢をとっているようだ。 途中、民芸品の店に寄り、紫檀で出来た布袋さまとかを買わされそうになりながらも、バスは次の目的地へと向かった。 台湾を離れる日の朝、この時に購入した紫檀の木で出来た布袋さまが重くて、トランクの重量オーバーを気にして大騒ぎのツアー仲間もいた。 それにしても、この旅の初め頃に買ったゆえ、後悔しつつ終始持って歩いていたのだそうだ。お気の毒さま。
by mismis10
| 2012-06-12 22:15
| 2012・台湾
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