胡瓜



皆さん、あまりブログの話題にしないけど、ちょっとお金の話を少々。

東電からの賠償金の8万円をもらった。
18歳未満の子供と妊婦は40万円、避難した人はプラス20万の60万円で、その他の人は8万円。

“その他”に該当する私は、申請請求した後、大体1週間ほどで振り込まれた。
早い人達はかなり前にもらったようだが私はつい先日の出来事。

しかしなぁ、この賠償金。
「これから先は、何があっても、もう賠償はしたからな」っていう感じの念書じみた話だ。

しかも、まるで馬鹿にしているとしか思えない金額の8万円。
これだけ生活を脅かされ、健康がどうなるのかも不明なこの状況に対して8万円で何をすれば良いのだろうか。もらえるだけ有り難いと思えとか言う人もいるが、この放射能被害の代償としてはあまりな気がする。

実際、月々10万円の賠償金額を支給されている非難区域からの人からみても、たった1回のこれだけかいという印象を受けてる人は周りに多い。ただ声に出して言わないだけだ。

放射能の数値が高くても、そんな事が賠償に反映される事も無く、ただ既成事実として「お金をやった」という感じがする。

もっと違う形での賠償は出来なかったのだろうか。
聞いた話では、中には、こんな形で賠償したと東電に思わせたく無いと請求しないという人もいるのだそうだ。私はそこまでの根性が無いので、8万円はいただいた。

でも、なんか違う気がして仕方無い。

ここの所、実家に行く用事の他に、自分の事で眼科や歯科とか病院等に行く事が増えて、待合室で待たされる間、賠償金の話があちこちでされていた。

不思議な事に会話する時に出て来るのは「賠償金」っていうネーミングでは無い。
大体の人は「東電からのお金」とか、その他の扱いの人達は、ずばり「8万円」とか言う。

先日は病院で待ってる間、目の前を3人の子供を連れて歩いている母親が通ったら
「子供だけで180万だね」と全然知らない中年のオバさんが私に話しかけて来た。
明かに、私の方を見て話しをするので焦った。

そのオバさん、避難して来ている仮設住宅の人の毎月の支給額についてもやたらと詳しく、支給されるのはお米とか味噌や醤油もだと、追加情報を教えてくれた。
「だからお肉とか魚さえ買えば困らないのよ」と言う。

どうしてそんなに詳しいのか不思議だったが、とにかく一方的に色々と語ってくれる。

しまいには「仮設住宅に住んでる人達は裕福なんだ」とまで言い出す始末だった。
でも、そう言った後で「でも住む所が無くなったんだから気の毒よねぇ」とも言う。

同じ福島市内でも、避難して来た人と前から住んでる人との温度差はいろんな場所でけっこう感じる時がある。

「絆」って言葉が嫌いだと言う人も多い。東北の被災地の中でも放射能があるだけで差別されて、賠償金でも差をつけられて、日本の中でも福島の中でも「絆」なんかズタズタになっている。

避難して来ている人は確かに大変だと思う一方、自分達は、何だかついてないと思ってる人が多い。
知らないオバさんの話を聞いていて、そんな事を感じた。

いやはや、話が止まらない感じの所で、タイミング良く名前を呼ばれて、ホッとしてその場を離れた。

普段でも、知らない人に話しかけられる事が多い私だが、つい先日は、スーパーの買い物中に、バラ売りの胡瓜を前に、全然まったく知らないオバさんから“正しい胡瓜の見分け方”をレクチャーされた。

熱心に語ってくれたので最後は「はぁ、ありがとうございます」とお礼を言ったりした。
良く分らないけど、それが礼儀かと思ったので。

まぁ、福島もパチンコ屋さんと飲み屋さんが結構繁盛しているらしい。
それと車を買い代える若い世代の家族が増えてるのだそうだ。

私の場合、せいぜい胡瓜の良いヤツを買うくらいしか無いのか。
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by mismis10 | 2012-04-27 23:33
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