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離れて行く人、測ってもらえない人



猛暑で自宅にひきこもっていたら、
家の除染を請け負う業者のセールスマンが来た。
この辺が高い放射線量だと解ってのセールスだ。

人間って凄いな。
なんでもかんでも、こうしてお金儲けになるんだ。

いつも行く美容院のスタッフの一人が今月いっぱいで店を辞めるという。
その店の主力スタッフだったので、オーナーの友人の美容師がとても嘆いていた。

結婚しているが、まだ子供の居ない彼女は、将来のために沖縄に行く事を選んだという。
旦那さんの職業は知らないが、やはり福島市内での仕事を辞めての移住だそうだ。
お父さんが一人いるが福島において行くのだそうだ。

病院の人事の仕事をしている友人も、
ただでさえ不足がちの看護師さんが仕事を辞めて県外に出て行くので困っていると話していた。

それだけで無く、県外から福島に来ている病院スタッフの一人も親に言われて仕事を辞めたそうだ。

その彼女は飲み水はミネラルウォーターのみで、
親から送られて来る県外の野菜をはじめとする食材で生活をしていたそうだ。

何ヶ月も続くそういう生活にもう耐えられないと言い放って辞めたそうだ。
どこを見ても福島産のモノしか売って無いとノイローゼみたいになっていたそうだ。

こうした話題を身近な人達からも聞くと、やはりなんとなく寂しい。

そうした事を聞いた後で、
県知事やミスピーチの人達が福島県産の果物や野菜のPR活動をしているニュースが流れているのを見た。
なんとも言えない複雑な気持ちになった。

私の地区の放射線の値が高いのを受けて、
行政側が各家庭の調査をするというのを聞いたので、
測ってもらえるのかと思いきや、回覧板には私の家のある地区は含まれていなかった。

今日から5日間、選ばれた地区の放射線測定を行うのだそうだ。

学校や病院などの公共施設がある市街地で線量を詳細に調査するのは、
県内で初めてだというのを聞いて驚く。

県庁所在地で放射線量が高くなっては、
行政の仕事に支障が出るとかで計らないでいたという噂もあった。
今や多くの人達が線量を計れるのだから、そんな事は無理だろう。

ローカルテレビのニュースでその様子が映されていたが、
全世帯で無く1081戸の住宅を対象に調査するのだそうだ。

調査から外された家の人が「どうせやるなら全世帯調査して欲しい」と怒っていた。

結果は9月上旬までに公表し、
特定避難勧奨地点に指定するかどうかの判断材料にするのだそうだ。

これもまたずっと先の話だ。
なんでも数ヶ月かかるのが普通の事になっている。

こうしている間に先に書いたような自主避難の人がどんどん増えて行くのだろうか。

今年の夏は暑い。

この猛暑を乗り切って涼しい秋や寒い冬が来れば、今よりは穏やかな生活が訪れるのだろうか。
by mismis10 | 2011-08-18 22:03 | 東日本大震災
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