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「震災の後で」

~転校生のmちゃん~

地名や学校名や学年は伏せておくが、
姪のクラスに、この震災の後5人の子供達が転校して来た。
4人が男子。1人だけが女子だったそうだ。

クラスのみんなの前で、ひとりひとりが自己紹介をしたそうだ。

最後になった女の子の番になると、急に30代前半の担任の男の先生が横で
『「ドコドコから来た、○○○○と言います、よろしくお願いします」と言ってます。』
と話したと言う。

それを聞いている側のクラスメート達が「何で先生が?」と、ざわざわとしたそうだ。

『○○ちゃんは上手く話が出来ないので代わりに先生が言いました。』
と先生は続けて言ったそうだ。

私はもしかしてそのmちゃんが、
震災で何らかのショックを受けて、話が出来ないのでは無いか。
そんな心配をした。
実際のところは、もちろん分からないのだが。

mちゃんは学校をよく休むらしい。
姪の席の近くだが本当に無口らしく話した声は聞いた事が無いという。
ただ黙ったままでいるらしい。

「じゃ、どうやってみんなと話するの?」と聞いたら
「しないよ」と姪が言う。

「はいとか、いいえとか言う質問しか、mちゃんにはしないんだよ。」
「でも、いつもみんなと一緒にいるよ」

詳しく聞いてみたら、何か質問する時には
首を縦にするか横にするかで彼女の意思が伝わるような質問しか、あえてしないらしい。
話す必要の無い質問しか、彼女にはしないらしい。

ほとんどの子がそうして会話をしているらしい。
そうやって同じように遊んでいる。
それは、回りの同級生達のmちゃんへの優しい配慮なのだ。

いいぞ、君達は素晴らしい子供達だ。
おばちゃんは素直に嬉しい。

子供だって、教えられた訳でも無いのに、
こうしてちゃんと相手を気づかう気持ちがある。

遠くに行った子供達が辛い思いをしてる話を聞くたびに
こうした痛みのわかる子供達がちゃんと福島にいる事を誇りに思う。

憲法記念日で休日の5月3日の今日。
憲法に保障されてるとは思えないような待遇を受けてる福島の人達。

先が見えない原発事故の収束の不安が続くうえに、
被害者の立場なのに、国からもいいかげんに扱われ、他の国民からも敬遠されている実態。

日本国憲法で「すべての国民は云々・・・」なんて読んでも、なんだか納得出来ない。
福島って日本じゃなかったのかとひねくれてしまいそうだ。
by mismis10 | 2011-05-03 21:46 | 東日本大震災
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